12月の中旬に野菜を買って下準備して冷凍したものを煮付けるだけだから、思ってたより早い早い。
あたし天才だね！とか自画自賛しつつ、つつがなくおせち完成。
午後はパパが床にワックスかけだしたので、
寝室にみーゆと共に避難ついでに、

「あたしみゆきといっしょにゴミでもだしにいってくるわ～」

というと、パパが心配顔に。

「大丈夫か。外すげーさむいぞ」

「大丈夫大丈夫ちょっとだけだしー」

といっていざ、みーゆをだっこひもで抱っこし、ケープでくるんで、
ドアをあけよう…としたら。

びよぉぉぉ……

ドアがマジで開きません。
いやまぁ一応開くんだけど、3センチ開いただけで、地上13階のマンションに吹き荒れる師走の嵐がもたらす風圧たるや、ものすごかった。

えっ…えええっ！

と口走ったあげく、あたしはドアを閉じて一言。

「ごめんなさいあたしが浅はかでした！無理無理無理！！」

それ以上ひらいたら確実に凍死するとおもったね！

とりあえずそんなこんなで紅白やらガキ使いを横目でみつつ。
スーザンさんが出たのが見れたから満足。
ゆく年くる年もみれないまま力尽き、
気がつくと2010年。


1月1日。


寝てないけど寝正月というか、
激しくインドアな正月。
みーゆがいるので人混みにはいけない為、初詣もいかないで、
あたしは何をしていたかというと、
ひたすら、ティーコゼを制作していた。
ポットウォーマーですな。
生なりの綿生地に、東京アンティークの福袋とあわせて購入した、ドイリーのスタンプを押していき、アイロンで定着させ、ミシンでがんがん、今年初の手芸に勤しんだ。
これはパパのリクエストで、所詮茶なんてのめりゃいいじゃん的なあたしと対称的に、パパはどんどん茶を本格的にいれたくなってきたらしく。
ティーポッドをあっためるやつを作ってくれと年末から言われ続けていたのだった。
うちでは、炊事洗濯とかの家事全般は基本私が奮闘するかわり、
家事が終わって、あたしが疲れてソファーに座り、みゆきにおっぱいをあげながら、
「お茶ほしいです」
というと、パパが
「はいただいま」
と立ち上がる。
そんなわけで、いまではすっかり、
ティーコゼなんていう単語をパパは覚えてしまった。
「あれ、君が作ったティーコゼはどこかな」
とさらりと聞かれたときには真剣に驚いたよ…
あたしでさえ、ポットウォーマーのことをティーコゼっていうことを、昨日作り方を調べるまで知らなかったというのに！！

なにはともあれ、かわいいティーコゼが出来ました。つか正月元旦にやったことってこれだけだわ。


1月2日


私の実家へ。

去年は実の母から恐ろしい怨念のこもった手紙を送り付けられ、
正直、本気で精神を病みかけたんですが。

時間がたって、
年老いた母のなかで怒りも薄れたのか、
そもそも人にたいして言ってはならないことを自分が言ってしまったんだという自覚もないほど、一種の精神病になっているのか…

母は普通に私と旦那さんを迎え入れた。
みーゆは人見知りが始まっていたにもかかわらず、
父と母にちゃんと慣れて、笑いかけてあげた。
母にみーゆを触れさせてあげられた。

幼い子供の肌に触れるという行為は、
救いになるとおもう。
それは理屈や頭で作り上げた怒りを和らげて、
人にいとしさや憐れみやいたわりを呼び覚まさせる。

いろいろままならないことはあるけれど、
せめて孫に触れることが母の救いになればと考えていた。

母の中で、娘である私への感情がどうなったかは、
正直、わからない。
もう、精神を半分病んでしまっている母を理解してあげることは、
難しい。

出来ることがあるとすれば、
あのひとに、娘が孫を産んだことは少なくとも素敵なことだった…
と少しでも思って貰うことぐらいだろう。

母とかかわるのは、辛い。
似ているところは同族嫌悪で辛いし、
相容れない部分もまたありすぎる。

でも逃げないで愛することは、めぐりめぐって、
みーゆとも向き合って生きることに繋がるきがしている。

負の連鎖をとめるために、
子を産まないこと、
すなわち無を選択するのもひとつの道にはちがいない。

けれど産むことは、
愛で連鎖を切らずにいい方向へかえていく、
無限の可能性を持っていると…

信じたい。

みーきはやはり私に何かを教えてくれるために、
私を選んで宿ってくれたのかもしれない。

生まれてきてくれてありがとう、
と、抱きしめて何度もつぶやいた。

去年より、少し生きる希望がみえた。
夜の闇も、きょうはそんなにこわくはない。

大丈夫。わたしは生きて行ける。